今回は、思いやりや助け合いの温かさを感じられる絵本をご紹介します。
思いやりや助け合いの大切さに気づかせてくれたり、人間関係で悩んでいるときにヒントをくれたりする本を選びました。
心が温まり気持ちがいい物語を読むと、思いやりの心が育まれていきます。
また、美しい言葉で書かれた絵本を読むと、子どもは自然と美しい言葉を覚えます。
子どもの感じ取る力を信じて読んであげていただけたらと思います。
「ハリネズミと金貨」 ウラジーミル・オルフル 偕成社
ハリネズミのおじいさんは、森の小道で金貨を拾います。冬支度に使おうと思うのですが、色々な動物たちに助けられて、金貨を使わずに済みます。おじいさんはその金貨をどうするのでしょうか・・・?
周りにいて自分を助けてくれる人たちは、お金には代えられない大切な存在だと気づかせてくれます。互いに助け合い寄り添って生きる事の大切さを感じます。
「あめだま」 新美南吉 にっけん教育出版社
母親が幼い二人の子を連れて渡し舟に乗ります。そこには強面のおさむらいがいます。子どもたちがひとつのあめだまをめぐってけんかを始めます。おさむらいは恐ろしい形相で見ています。さて、どう解決するのか。
おさむらいの思いやりに心が温まり、読み終わった後の素敵な余韻で優しい気持ちになります。新美南吉のお話の世界は温かい雰囲気のものが多く、安心して読めます。
うろこだま(てのひらむかしばなし) 長谷川摂子 岩波書店
持っているとお金持ちになる「うろこだま」おじいさんは、それを盗まれてしまい、飼っていた犬と猫にもう食べさせることができないと涙ながらに伝えます。犬と猫は「うろこだま」を取り返すために旅に出ます。
おじいさんと犬たちが、お互いを深く大切に思う気持ちが伝わってきます。心が洗われ、胸が熱くなるおはなしです。
「いすになった木」 梁淑玲(リャン・シュウリン) PHP研究所
わがままで自由勝手な大きな木はだれとも関わりたくありません。ある日、巨人が来て木に座るようになります。わがままな木はだんだんと変わってきます。
自分が必要とされると、その相手を愛おしく思うようになります。そんな心のつながりの素晴らしさが、丁寧に書かれています。誰かのためになる喜びを教えてくれて、人に優しくなりたいと感じさせてくれます。
「海のおばけオーリー」 マリー・ホール・エッツ 岩波書店
水族館のそばの湖におばけが出るとうわさが広がり、町中大騒ぎになります。おばけの正体は、赤ちゃんの時にさらわれて、水族館に売られたあざらしの子でした。さて、このあざらしの子はどうなったのか。漫画のようなコマ割りの絵でドキドキしながら楽しめます。
オーリーの気持ちに寄り添った飼育員さんの行動に心動かされます。
「こわれた1000のがっき」 のろかさん 可合楽器製作所・出版事業部
壊れてしまった楽器たちが、「もう一度、演奏がしたい」と知恵を出し合って、お互いを補い合って演奏をつくりあげます。
実際に演奏が聞こえてくるようです。
おはなしに出てくる楽器は1000もありませんが、きっと読んでいる子どもたちも一緒に演奏している気持ちになって欲しいとの思いが込められたタイトルだと思います。1人でできないことでも、仲間と力を合わせて助け合えばできることを教えてくれます。
「百まいのドレス」 エレナー・エスティス 岩波書店
クラスでのけ者されている貧しい女の子ワンダは、「百枚のドレスを持っている」と言って、ますますからかわれるようになります。マディはハラハラしながらも止める勇気がありません。ワンダを突然引っ越してしまします。百枚のドレスの絵を残して・・・
いわれなき差別や偏見を乗り越える勇気を持つにはどうすればいいのか、考えさせられます。
「イングリッシュ ローズィズ」 マドンナ 集英社
有名歌手で2児の母であるマドンナが、子どもたちに語りかける気持ちで書いた絵本です。仲良し4人の女の子たちは、頭が良く運動もできる転校生の美少女に嫉妬し敬遠するようになります。しかし、ある夜に夢に妖精が出てきて、その女の子の意外な状況を知らせます。
見かけなどの表面だけでは、分からないことがたくさんありますね。決めつけて判断せず、その人自身を知ろうとする大切さを気づかせてくれます。女の子たちの複雑な人間関係がリアルで、高学年の子どもたちが共感できる物語です。
こちらの記事で、思いやりの心を育む絵本を紹介しています。
お話を楽しみながら感じ取ることが大切
絵本を読み聞かせをして、子どもたちの教育に使いたいと思われる方が多いと思います。
もちろん、そうやって読んであげるのも大切です。でもどうかそれだけではなく、ただただおはなしを共有して心から楽しむ絵本タイムも大切にしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。