子どもが本を手に取りたくなる!学校図書館づくりの工夫・取り組み

先生向け

いよいよ、新年度が始まります。先生方は忙しく準備をされていることと思います。

今回の記事では、学校図書館づくりの工夫や取り組みについてお話します。

学校の図書は児童生徒の学力を支えるものだけでなく、心の安定にも大切な役割があります。

是非、図書のメンテナンスも行って、子どもたちと本を結ぶ参考になれば幸いです。



子どもたちの活字離れの課題

子どもたちの活字離れが進んでいます。原因として考えられるのは、次のようなことです。

・子どもたちの娯楽が多様化している。

・塾やスポーツクラブで忙しい。

・デジカル化で自宅に本や新聞がない。

・YouTubeなど短い動画を楽しむので、長い文章が楽しくない。

小学校に入るまで、本と出会っていない子どもがいると知って驚きました。

家庭などで読み聞かせをしてもらうといった楽しい経験がないと、本を読むのが好き、楽しいとはなかなか思えないようです。

学校図書の役割

学図法では、「教育課程の展開に寄与し、児童生徒の健全な教育の育成に資する」とあります。

学習の中で芽生えた疑問・興味を、いかに伸ばして質の良いものにするか工夫がいります。

 

・蔵書を充実させる。

・児童生徒への支援ができるスタッフがいる。

 

学校によって人手や予算などの制限もあると思いますが、この二つが基本になります。

本を手に取りやすくする工夫

児童生徒が本を手に取りやすくするために、工夫が必要です。

 

館内の案内図を掲示する

できれば入口に掲示して、子どもたちが自分でも探せるようにします。

案内図を印刷して配布しておき、それを持って図書館内を巡る時間を取ると良いですね。

分類のイラスト入りにすると楽しい地図になります。

書架にも分類のイラストを置いたり、天井からぶら下げたりすると分かりやすいです。

 

学年別に教科書に出る本や関連本コーナーを作る

調べ学習の授業などで、図書館を活用しやすくなります。

自分の学年のものだけでなく、低学年は上の学年の本に興味を持ったり、高学年は懐かしく思ったりすることで本に親しみやすくなり、良い効果が得られます。

 

話題の〇〇を展示する

話題になっている映画、博物館、美術館に関連する本や資料を展示すると、子どもたちの興味をひきつけやすくなります。

 

新聞記事を切り抜いて掲示する

子どもたちの興味がありそうな記事を掲示するといいです。カラー写真のものなど、読みやすいものを切り抜いてあれば、読んでみようかなと思ってくれます。

 

探しやすく、出し入れしやすいよう整備する

背表紙が日焼けしてほとんど読めなくなっている本は、子どもは手に取りません。

できれば印刷して貼り直しましょう。手書きでも良いです。

ぎゅうぎゅうに本が入っていると、子どもは嫌になってしまいます。学級文庫にまわすなどして、ゆったりと入れるようにしましょう。



児童生徒との信頼関係を大事に

  • 子どもが読んでいる本は、プライバシーの配慮が必要です。図書委員に貸出作業をしてもらう場合は、そのことをきちんと説明しておきましょう。
  • 返却の催促などを貼り出しに、児童生徒の名前を書かないことを徹底しましょう。
  • 学力アップを強調しすぎないようにしましょう。

読書を楽しめるイベント

読書週間などに向けて、子どもたちに読書を楽しめるイベントを考えてもらいます。

こちらが実際に行った取り組みです。

  • 本からクイズを出しますと事前に告知をして、近隣の図書館に協力してもらって、その本を取り寄せて読んでもらう。
  • 先生方に好きな本をインタビューして、本と先生の顔写真とコメントを一緒に掲示する。
  • 貸出の多い児童生徒の表彰式。手書きの表彰状を作って渡す。
  • 縦割班で5・6年生が読み聞かせをする。少人数なので、廊下や校庭でも行いやすい。

他の機関との連携や協力を求める

  • 図書館やボランティア団体に、読み聞かせの講演をお願いし、保護者に参加ができるように参観日などと同じ日にするといいです。
  • ブックトークやストーリーテリングを行ってもらいます。
  • 選書のアドバイスをもらうことも大切です。

子どもたちと本の橋渡しのできる学校図書館に

何より先生方が図書館に親しみを持っている姿を、児童生徒に見せる事が大切です。先生が図書館をしっかりと利用して、図書館の利点を感じていれば、子どもたちに伝わると思います。

また、ボランティアの読み聞かせがある場合は、子どもたちよりも楽しんで聞いていると、子どもたちにも安心して楽しめます。子どもたちも癒しの時間になるので、心の安定にも繋がります。

本を読むことは利点がたくさんあります。子どもたちの語彙が増えることで、理解力があがって授業が楽しくなりますし、子ども同士のトラブルも減ります。

他者への想像もできるようになり、思いやりの心を持てるようになります。

自身の悩みやコンプレックスを和らげることにもなります。

どうか子どもたちと本の橋渡しのできる学校図書館にしていただけたらと思います。



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