みなさん、普段辞書を使うことはありますか?
「スマホや電子辞書で簡単に調べられるから、それで十分!」という方が多いかもしれません。
でも、紙の辞書にはどんな利点があるのでしょうか?
実は、辞書を読み比べると、載っている言葉や解説の仕方が異なることが分かります。調べる目的によって、辞書を使い分けることができるのです。
今回は、TBSラジオ「たまむすび」に出演された校閲者で辞書マニアの稲川智樹さんが語る、辞書の魅力と「推し辞書」をご紹介します。
国語辞典の魅力とは
辞書マニアが選ぶ推し辞書(おすすめの国語辞典)
辞書界の大発明! 「現代国語例解辞典」 小学館
特に、類語対比表が特徴的で、似た意味の言葉を表にして並べてくれるので、非常に分かりやすく、直感的に使いこなせます。
例えば、「叱る・怒る・たしなめる」の使い方を調べると、状況に応じてどの言葉を使うべきかが明確にわかります。
「先生に〇〇れる」と使う場合、**「叱られる」「怒られる」「たしなめられる」すべてが使えることが分かり、状況に応じて適切な言葉を選べます。
一方、「頭ごなしに〇〇れる」の場合は、「叱られる」や「怒られる」は使えますが、「たしなめられる」**は使えないことが一目で分かります。
このように、〇×表記で使えるかどうかが示されているので、迷うことなく適切な言葉を選ぶことができます。言葉のニュアンスをしっかり掴みたい方にとって、非常に役立つ一冊です!
読んでいるだけで楽しい! 「岩波国語辞典」 岩波書店
この辞典は、言葉の基本的な意味だけでなく、詳細な説明が載っているのが特徴です。言葉がどのように生まれ、変わってきたのか、そのイメージの変化まで学ぶことができます。読むだけで、言葉についての新しい知識がたくさん得られる一冊です。
言葉の歴史を調べたいときには、この辞典がぴったりです。言葉の変遷を知ることで、もっと深く理解できるようになります。
もっと辞書について知りたい方は・・・
「辞典語辞典」 誠文堂新光社

この本は、稲川智樹さんが仲間と一緒に書かれた、辞書にまつわる言葉や人物を楽しく解説した一冊です。辞典作成の裏話や、ドラマに登場する辞書にまつわるエピソードなど、ちょっとした小話も満載で、読み進めるのがとても面白いです。
さらに、イラストが添えられているので、飽きることなく楽しめます。辞書に対する親しみが湧き、辞書を使う楽しさを再発見できる一冊です。辞書を身近に感じたくなること間違いなしです!
言葉の研究は奥深い

辞書作成について考えると、以前読んだ三浦しをん著「舟を編む」が思い浮かびます。この本では辞書の編纂者たちの物語が描かれていて、とても感動しました。
国語辞典には個性があることを知り、驚きました。辞書の一語一語に対する解説の文章にも、編纂者たちの個性が反映されていて、それがとても面白いです。
また、日々新しい言葉が生まれ、言葉の使い方も変わっていくので、言葉の研究には終わりがないことを改めて実感しました。
稲川智樹さんは、辞書で気になる言葉や用例を見つけると付箋を貼って楽しんでいるそうです。新しい言葉にアンテナを張っているその姿勢には、見習いたいと思いました。
子どもの語彙を増やすには読書が効果的ですが、知らない言葉が出てきたときに辞書で調べる習慣をつけると、より効果的です。
稲川さんの話を聞いて、辞書へのイメージが変わり、推し辞書を読んでみたくなりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。