「自分でしなさい」は逆効果⁉︎子どもの自立を育てる関わり方

子育て

子どもの自立を育てる関わり方

「自分でできるのに『ママやって』って言われると、つい『自分でしなさい』って言いたくなる…」
そんな場面、子育て中ならきっと一度はありますよね。

でも実は、その対応がかえって子どもの自立を妨げてしまうことがあります。

今回は、「ママやって」と言われたときの対応と、
身の回りのことを自分でできる力を育てる関わり方についてご紹介します。




「ママやって」と言われたら、手伝ってあげていい

「自分でできるでしょ!」ではなく、「今日はママにやってほしい気分なんだね。いいよ♪」と子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。

子どもが「ママやって」と言うとき、それは“自分でできない”のではなく、
“今は甘えたい”という気持ちの表れかもしれません。

たとえば——
「自分で着替えられるけど、今日はママに手伝ってほしい」
「靴は自分で履けるけど、ママが履かせてほしい」

そんな時、「自分でできるでしょ!」と突き放すと、
子どもは「甘えちゃいけないんだ」「気持ちをわかってもらえない」と感じてしまいます。

大人でも「今日は疲れてるから誰かに助けてほしい」という日もありますよね。

子どもにも、「できないことは人に頼っていい、甘えてもいい」と伝えることが、実は“自立”への近道なんです。

甘えたい心が満たされると、次は「自分でやってみようかな!」という前向きな気持ちにつながります。

ママへの信頼感が育ってさらに大好きになり、「今度はママに1人でできるところを見てほしい!」と意欲が沸いてきます。




子どもの自立を育てる関わり方

子どもが「自分でできた!」と感じる経験は、自立心や自己肯定感の土台になります。
そのためには、「自分でやりたい」と思えるような環境と、関わり方がとても大切です。

ここでは、子どもの自立をうながす6つの関わり方をご紹介します。


1人でできるように環境を整える

「自分でやってみよう」と思えるには、まず1人でできる環境を用意することが第一歩です。

たとえば着替えなら、ボタンの多い服やかたい素材のズボンは、小さな子どもにとってはハードルが高すぎることも。
・Tシャツやウエストゴムのズボンなど、脱ぎ着しやすい服を選ぶ
・子どもの目線の高さに服を収納して、自分で選べるようにする

といった工夫が「やってみたい」を引き出します。

朝の準備が苦手な子には、
「顔を洗う → 着替える → ごはんを食べる」など、やることを絵カードや写真カードで可視化して、子どもが自分でチェックできるようにするのもおすすめです。

それでも1人では難しくて、子どもに「ママ、手伝って」と言われたら、手伝ってあげても大丈夫です。
「できるようになるには練習が必要」と思って、見守る姿勢が大切です。


自分で考えたり選んだりする機会をつくる

自分で考えて選ぶ、小さな決定を積み重ねることで、子どもは「自分で考えていいんだ」という自信を育てていきます。

たとえば朝の着替えのときに、
「これを着なさい」ではなく、
「今日はどっちの服がいいかな?」と選ばせてみましょう。

また、「早くして!」と急かす代わりに、
「今、何をすればいいかな?」と問いかけてみると、子ども自身が考えるきっかけになります。

子どもの答えが、親の思っているものと違っても、否定せずに受け止めてあげることが、自主性を育てるポイントです。


子どもが興味をもったことに一緒に興味をもつ

子どもが何かに夢中になっているとき、その気持ちに寄り添ってあげることで「自分の好きって大切なんだ」と感じられます。

たとえば、虫が好きな子なら一緒に図鑑を見たり、散歩中に立ち止まって観察したりするだけでOKです。
「どんなところが好き?」「どれが一番好き?」と聞くと、子どもは喜んで教えてくれるはず。

親が関心を向けてくれることで、子どもは自分の存在が肯定されたように感じ、意欲もどんどん高まっていきます。


口出しせずに見守る

子どもが何かに取り組んでいるとき、つい「そっちじゃないよ」「こうした方が早いよ」と言いたくなること、ありますよね。

でもその一言が、子どもの考える力や自主性を奪ってしまうことがあります。

たとえばパズルで間違ったピースをはめようとしているときは、すぐに正解を教えるのではなく、自分で試行錯誤して気づくまで見守ります。

子どもが「できない!」とイライラしたり、怒ったりしているようなら、

「このピースの形をよく見てごらん」「他に合いそうなピースはあるかな?」とヒントを出してもいいかもしれません。

失敗も経験のうちととらえて、子どもが自分で気づく時間を大切にしましょう。


失敗を責めずに気持ちを受けとめる

チャレンジしてもうまくいかなかったとき、
「だから言ったでしょ!」と叱るのではなく、まずは気持ちに寄り添いましょう。

「くやしかったね」「頑張ってたの見てたよ」と声をかけることで、子どもは「失敗しても大丈夫」「またやってみよう」と思えるようになります。

そのあとで、「次はどうしたらうまくいくと思う?」と問いかけると、前向きに考える力も育ちます。


子どもの頑張りや成長を褒める

子どもの自立を育てるうえで、「できた結果」よりも「頑張った過程」を認めることがとても大切です。

「すごいね!」と結果だけを褒めるよりも、
「ここをがんばってたね」「工夫してたね」と具体的に声をかけることで、子どもは「自分の努力が認められた」と感じ、自信につながります。

たとえば、着替えができたときも、
「全部ひとりでできたね!」とまとめて褒めるのではなく、
「ズボンの前後、ちゃんと確認してはけたね」
「シャツのボタン、最後まで全部止めたね」

というように行動の中身を具体的に言葉にしてあげると、自分の成長を実感しやすくなります。

また、「どうやってうまくできたの?」と聞くと、子ども自身もうまくできたところを振り返って考えることができて、次の「やってみよう」にもつながります。

「うまくできた」という結果よりも、「できるようになるまでの過程」に目を向けて声をかけてあげることで、子どものやる気と自信はどんどん育っていきます。



まとめ

「ママやって」と言われたら、まずは甘えたい気持ちに寄り添うことが自立への近道です。

そして、子どもの“やりたい気持ち”をそっと引き出すような関わりを意識してみてくださいね。

甘えを受けとめた先に、
“ほんとうの自立”が育っていきます。

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