前回は、児童文学者の松岡享子さん訳・作の絵本と大人向けの手引書を紹介しました。
今回の記事では、松岡さんが制作にかかわった昔話・童話の本をご紹介します。
子どもたちが読みやすく理解しやすい本なので、本に慣れていない子もお話にひきこまれます。
ぜひ子どもたちと一緒に読んで、楽しいお話の時間を過ごしてください。
昔話の本
「だちょうのくびはなぜながい?―アフリカのむかしばなし」 ヴァーナ・アーダマ 冨山房
子どもたちは、ダチョウがどうなってしまうのかドキドキしたり、「えー!」と驚いたりしながら夢中になってお話に入り込めます。
「花仙人―中国の昔話」 福音館書店
「子どもに語る アジアの昔話(1)・(2)」 こぐま社
アジアに伝わる昔話が2巻で27話入っています。同じアジアでも考え方に違いがあって感心します。様々な人の生き方を知ることができて、多くのことを学べます。外国を知るきっかけにもなるでしょう。小学生中学年から楽しめます。分からないところは一緒に調べてみると視野が広がります。
「子どもに語るイギリスの昔話」 こぐま社
グリムの昔話の本
「グリムのむかしばなしⅠ・Ⅱ」 のら書店
厳選された昔話が一巻目に7話、二巻目に9話入っています。ワンダ・ガアグの挿絵から独自のグリムの世界を感じることができます。
子どもたちがリラックスして惹き込まれます。おはなしによっては幼い子どもには向かない場合がありますので、選んで読んであげてくださいね。
アンデルセン童話の本
「白鳥」 福音館書店
継母に白鳥にされてしまった11人の王子たちを助ける方法を、妹エリザは妖精から教えてもらいます。それは、とげのあるイラクサを編んで11枚の下着を作って、兄たちに着せる事。それを終えるまでは、いっさい声を出してはいけない。コロナ禍でしゃべることを制限されている子どもたちは、声を出せないことが大変だと知っているので、心を寄せるでしょう。
たくさんの試練に立ち向かうエルザの健気な姿が子どもたちの心に残ると思います。
「子どもに語るアンデルセンのお話」
1巻目に9話、2巻目に8話入っています。初めてアンデルセンと出会うお子さんには、ぜひこの本を読んであげてほしいです。子どもが聞き取りやすく、理解しやすいように工夫して書かれています。絵が無くてもお話に最後まで聴き入ります。
歴史や文化を知るきっかけに
さまざまな国の昔話や童話の本は、外国の歴史や文化への興味や好奇心を広げてくれます。
松岡さんは、先人が生み育てた文化や社会の仕組みを子どもたちが本を通して知り、長い歴史に自分を位置づけて生きてほしいと願われています。
急速に変化していく現代だからこそ、歴史や文化に触れる機会の大切さを感じさせられます。
昔話や童話の本はそのきっかけになってくれると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。