他国を知り尊重するきっかけにーロシアとウクライナの昔話の本を紹介

先生向け

ロシアによるウクライナ侵攻が続き、悲しいニュースに心が痛みます。

今回は、ロシアとウクライナに伝わる昔話の本をご紹介します。

昔話は、その国の特性を教えてくれて、親しみを持たせてくれます。

子どもたちにとって、それぞれの国を知り、お互いを尊重できるきっかけになればいいなと思います。

ロシア・ウクライナに伝わる昔話の本

「なぞなぞ100このほん」 M・ブラートフ採取 福音館書店

ロシアやウクライナを含めた北の国のなぞなぞが集められた本です。大きな自然やかわいい動物など、素朴な絵がほんわかしていて親しみやすいです。身近なもののなぞなぞなので、子どもが夢中になって楽しめます。

 

「赤ちゃんをほしがったお人形」 ディミーター・インキオフ 偕成社

ロシアの人形、マトリョーシカの由来をお話にしているので、ロシアの文化に親しめます。マトリョーシカは「小さなお母さん」という意味なのですね!とっても可愛くて心温まるおはなしです。

 

「マトリョーシカちゃん」 かこさとし(原作 ヴェ・ヴィクトロフ/イ・ベロポーリスカヤ)福音館書店

お人形のマトリョーシカちゃんがお客さんを招いて、みんなで楽しく過ごします。
可愛いロシアの民俗人形たちが登場します。かこさとしさんの絵がおはなしにぴったりです。繰り返しの展開が楽しく、最後はみんなが仲良く笑顔で終わるので、何度も読みたくなります。

 

「おおきなかぶ」 A・トルストイ 再話 福音館書店

おおきなかぶは、ロシアの民話です。おじいさんの植えたかぶは、とてつもなく大きなかぶになり、一人では抜くことができません。次々に応援がやってきて加勢をしてくれます。最後は小さなねずみがやってきてやっと抜けるところは、胸がすっとします。小さな力でもみんなの助けになるところがいいですね!

 

「ゆきむすめ」 内田莉莎子 再話 福音館書店

ロシアから伝わる昔話です。子どものいないおじいさんとおばあさんが雪で作ったゆきむすめ。二人に大切に育てられますが、ゆきむすめは外へ出ようとしません。心配したおじいさんたちは友だちと外で遊ぶようにいいます。友だちがしている遊びをまねて、ゆきむすめは焚火の上を飛び越します。すると・・・焚火を知らなかったゆきむすめに悲劇が訪れます。おじいさんとおばあさんの温かい愛情が伝わり、胸がいっぱいになる物語です。

 

「マーシャとくま」 M・ブラートフ 再話 福音館書店

マーシャとくまは、ロシアの子ども向けのアニメで大人気のおはなしです。

森へキノコ採りに行って、森の奥に迷い込んでしまったマーシャは、くまの家にたどり着きます。くまはマーシャに家事をさせてなかなか家に帰らせてくれません。そこでマーシャは知恵を働かせてくまをだまして家に帰してもらいます。
ドキドキする展開を味わえて、子どもの心をつかむ物語です。

 

「はちみついろのうま」 小風さち 福音館書店

美しい髪を持つ娘は、魔物がいるという森に入り込んでしまいます。そこで鬼ばばに馬にされてしまいます。娘は機転をきかせて鍛冶屋のところへ連れて行き、鍛冶屋が鬼ばばを退治してくれます。
見ごたえのある美しい絵で、衣装の刺繍や食器の柄を眺めるだけでもウットリしてしまいます。ウクライナの暮らしに触れられる絵本です。

 

「かもむすめ」 ウクライナ民話 福音館書店

こちらもウクライナの暮らしの様子が分かる絵本です。
足にけがをして、おじいさんとおばあさんに助けられたカモのおはなしです。カモが仲間を思う気持ちと、おじいさんとおばあさんの助けになりたい気持ちの葛藤に心を動かされ、切なくなります。
「はちみついろのうま」と同じ画家の絵が、繊細で美しくて惹きつけられます。

 

「てぶくろ」 ウクライナ民話 福音館書店

雪の上に落ちていた片方だけの手袋にネズミが入って住んでいます。そこへ動物たちが次々とやってきます。暖かさを分け合う動物たちの姿に、寒い日にも心温まる絵本です。

 

「わらのうし」 内田莉莎子 福音館書店

ウクライナの昔話です。おばあさんは、わらの牛を作ってほしいとおじいさんに頼みます。おばあさんはわらの牛にタールを塗って、動物たちを捕まえて皮を剥いでしまおうと思っています。優しいおじいさんは動物たちを逃がしてやります。動物たちはお礼に色々と持って来てくれるというおはなしです。
人への親切は自分にも返ってくると教えてくれる物語です。動物たちが来ているウクライナの民族衣装にも注目して楽しめます。

 

「セルコ」  内田莉莎子 福音館書店

年をとってお百姓の家から追い出させた犬のセルコ。野原をさまよっているとオオカミに会います。そしてお互いに助け合って暮らしていきます。オオカミがお酒を呑んで歌を歌っているところに笑えます。
相手のことも自分のことも大切にできる友情が素敵です。ウクライナの明るく朗らかな民俗性を感じることができます。

 

「麦の穂」 エヴゲーニィ・ラチョーフ ネット武蔵野

ウクライナ民話の短いおはなしが4編入っていて、飽きずに楽しめます。弱い立場にあっても、最後には正しい方が勝つというおはなしなので、納得する展開にすっきりします。

 

「まほうの馬」 A・トルストイ M・ブラートフ  岩波書店

ロシアの昔話が12編入っています。長年語り継がれている名作で、低学年から楽しめる本です。
*アリョーヌシカとイワーヌシカ
弟のイワーヌシカをヤギに変えられてしまった姉のアリョーヌシカが、恐ろしい魔女と戦うおはなしです。
*キツネとオオカミ
キツネがおじいさんをだまして取った魚を食べていると、オオカミがやってきて魚をくれと言います。キツネはオオカミに、「氷の割れ目からしっぽをたらすと魚が釣れる」と教えます。オオカミに悲劇が・・・

 

「イワンのばか」 レフ・トルストイ  岩波書店

ロシアの民話や伝説をもとにしたおはなし11編が入っています。人生のヒントになる名作で、深く心に残り、生きる力を与えてくれます。高学年以上におすすめです。
 

どの国にも暮らしや文化がある

今回はロシアとウクライナに伝わる昔話の本を紹介しました。

どの国の人々にも普通の暮らしがあって、誰もが平和を望んでいることが子どもたちに伝わると幸いです。

世界の平和を望むオリンピックが閉会したとたん、ウクライナの人々は、軍事侵攻によっていきなり日常を奪われ絶望の中にいます。

また、パラリンピックではロシアの選手が参加できなくなってしまいました。

ロシアとウクライナが新たな関係を持ち、それぞれの国民が幸せに暮らせる日が早く来ますように願っています。

タイトルとURLをコピーしました