だんだんと涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。読書にぴったりの秋に入ってきました。
前回は、読み聞かせにどんな絵本を選んだらいいのか悩んでいる方に向けて
絵本の選び方と、幼児から低学年におすすめの絵本を紹介しました。
今回は小学校中学年(3~4年生)におすすめの絵本を紹介します。
ご家庭や学級での読み聞かせにお役立てください。
本の出会いを広げよう
中学年の子どもたちは、本の楽しさが分かってきて、自分で本を読めるようになります。
読む本に子ども自身の好みが出てきて、ジャンルが偏ることがあります。
そこで大人が読み聞かせをすることで、子ども自身が選ばない本と出会うことができます。
シリーズになっているものを1冊読んであげると、子どもが「あとは自分で読んでみよう!」と興味を持つきっかけになります。
また、子どもが気に入った本の作家の作品を教えてあげることで、
自ら読みたい本を見つけるようになり、読書の幅が広がります。
読み聞かせを通して本との出会いを広げていくことが大切です。
おすすめの絵本
「あおくんときいろちゃん」レオ・レオーニ
青い丸のあおくんは黄色の丸のきいろちゃんが大好きで、町で出会って嬉しくて抱きつきます。すると緑になってしまいます。お互いの家に帰りますが、「どちらの家でもうちの子じゃない」と言われてしまします。単純な図形のような絵で描かれています。子どもはその絵に、主人公たちの感情を想像することができます。
大人が読んでも心にしみる絵本です。
「ペレのあたらしいふく」エルサ・ベスコフ
男の子のペレは、自分でお世話をいている子羊がいます。自分の服が小さくなった時に、この子羊の毛を刈って服にしようと思います。服に仕上がっていく過程に心躍ります。昔の農村の精神的に豊かで落ち着きが感じられる絵で描かれています。
「マーシャとくま」 M・ブラートフ
ロシアの民話です。森で迷子になったマーシャは、森の奥で熊の家をみつけます。熊につかまってしまい、召使のように働かされます。マーシャは熊をだまして家に帰してもらおうと考えます。
マーシャに自分を重ねて読んでいき、自分が大きな熊をまんまとだました気持ちになれます。
絵も素晴らしく、ロシアの民族衣装が美しいです。
「まりーちゃんとひつじ」 フランソワーズ
「うさぎのみみはなぜながい」 北川 民次
大人は残酷に思うかもしれませんが、子どもたちにとっては勇気をもらえるおはなしです。
「かもさんおとおり」 ロバート・マックロスキー
かもの夫婦が川の中州で卵を産んで育てます。そして8羽の子がもを引き連れてお引越しをします。なんと街なかを堂々と行進をするかもさん一家。おまわりさんは大わらわ。無事に引っ越しができるのかはらはらします。軟らかいタッチのセピアの絵が、かもさん一家のおおらかさにぴったりです。
「こぐまのくまくん」 E・H・ミナリック
絵本から童話へと移るときに最適な本です。一冊に短いおはなしが4編はいっています。「こんな子いるなぁ」と思えるような、ほほえましいエピソードばかりです。他に「かえってきたおとうさん」「くまくんのおともだち」「だいじなとどけもの」「おじいちゃんとおばあちゃん」があります。
「せかいのひとびと」 ピーター・スピアー
こちらの本は大型絵本です。まさに世界の人々の民族衣装や行事、家、食べ物、仕事などなど・・・
隅から隅まで楽しめる絵本です。読み聞かせを楽しんだ後も、子どもが一人でじっくり楽しめる絵本です。
「ちいさいおうち」 バージニア・リー・バートン
田舎に建つ小さなおうち。春夏秋冬の美しい自然の中で幸せに暮らしています。年月が経つにつれ、周りがだんだんと都会へと変わっていきます。ちいさいおうちは悲しくなってしまいます。
ちいさいおうちの感情を想像して共感できます。絵がほのぼのとしていて、色も美しいです。
「チムとゆうかんなせんちょうさん」 エドワード アーディゾーニ
船乗りにあこがれる少年チム。大きな汽船に潜り込みます。船員たちに見つかりますが、下働きをさせてもらうことになります。チムは厳しかった船員たちにかわいがられるようになり、楽しく過ごしていました。そんなある日、激しい嵐がやってきます。子どもの冒険心を満足させてくれる物語です。
チムシリーズは10冊あります。親子で長く楽しめる作品です。
「にちよういち」 西村 繁男
「100まんびきのねこ」 ワンダ・ガアグ
おじいさんとおばあさんは、子ねこが一匹ほしいと思い探しにでかけます。やがてねこでいっぱいの丘にたどり着きました。この中から一番きれいなねこを選ぼうとしますが、選ぶことができません。みんなを引き連れて家に帰ることに。繰り返しが楽しいおはなしで、子どもたちは気持ちを離さず聞き入ります。黒一色の絵は力強いですが、素朴さもあって暖かいです。
「ものぐさトミー」 ウィリアム・ペーン デュボア
ものぐさという言葉の意味が分からなくても、この本を読むとこれか!と分かります。
トミーの使う奇想天外な装置に大笑いできます。そのあとに起きるハプニングに心からすっきりします。本が苦手な子どもにも喜ばれること間違いなしです。
「よあけ」 ユリー・シュルヴィッツ
「ロバのシルベスターとまほうのこいし」 ウィリアム スタイグ
あめのひ
雨の日でも外に行きたい。雨の中で遊びたい。そんな子どもの気持ちを満たしてくれます。
落ち着いた色味で繊細な絵が、子どもの気持ちに寄り添ってくれる絵本です。
「おばかさんのペチューニア」 ロジャー・デュボアザン
「くしゃみくしゃみ天のめぐみ」 松岡 享子
歯いしゃのチュー先生 ウィリアム スタイグ
「ペニーさん」 マリー・ホール エッツ
続編に「ペニーさんと動物家族」「ペニーさんのサーカス」があります。
子どもと読書タイムを楽しもう
中学年の子どもたちは様々なことに好奇心を持ち始めて、自らやりたいことを見つけられるようになります。
この時期は、子どもの興味の幅を広げることが大切です。
読み聞かせは、本を通して子どもの興味を広げることにつながります。
ぜひお子さんと好きな本や面白い本を交流し合って、会話を楽しんでみてください。
お子さんの方から本をすすめてくれたら、読んで感想を伝えると喜びます。
自分の考えを言葉にできるようになるためにも、読書は大切です。
楽しさを共有することで習慣になっていきます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。