小学生向け 元教師がおすすめする「安定した心」を育てる絵本7選

子育て

こんにちは。元小学校教師のぽよみです。

子どもたちが家で過ごす時間、youtubeを見たり、ゲームをしたりする時間が多くなりがちではないでしょうか。

youtubeやゲームは、子どもに飽きさせないように次々と新しい刺激を子どもの脳に与え続けているので、情報処理が未発達な子どもにとって有害になることがあります。

子どもに過度な興奮や緊張を与え、脳や心が疲れて集中力がなくなったり、気持ちをコントロールする力がなくなったりしてしまう危険性があるのです。

そこでおすすめしたいのが絵本です。絵本には、子どもの感性や想像力を発達させ、安定した心を育てる要素がたくさんあります。

・登場人物の気持ちを想像できる場面

・温かい気持ちになれる余韻

・リズムがよく、心地がいい日本語

・風景を感じられる絵

・繰り返しがあり、安心感を与える展開

今回は、子どもの安定した心を育てる絵本を7冊厳選して紹介します。

絵本の中の楽しい世界に入りこめる本

  • もりのなか マリー・ホール・エッツ作

 ぼくが森の中へ散歩にでかけていると、いろんな動物に会いました。みんなで大行列になって歩き、仲良く遊んで、最後にかくれんぼをしました。みんなが隠れたところでお父さんが迎えにきて、またみんなと遊ぶのを楽しみにして帰りました。

動物たちに出会い、ぼくについてくるという繰り返しで、子どもたちが予測しやすく安心感をあたえます。

お父さんが迎えにきたとき、動物たちが消えてぼくの空想から現実に戻ったことがわかります。でもお父さんはぼくの夢を壊さないように「みんなまっててくれるよ」と言ったので読み手の子どもたちも絵本の中の世界のままでいられます。

  • またもりへ  もりのなか2

森の中の楽しい時間が続きます。「特別何かができなくてもいい。」「笑うことって素敵なことなんだ。」と教えてくれます。温かい余韻が残り、優しい気持ちになります。

温かい思いやりを感じられる本

  • しんせつなともだち 作:方 軼羣 (ふあん いーちゅん)

子うさぎは、冬に食べる物がなくなったので食べ物を探しに出かけて、かぶを見つけました。友達のろばも困っているだろうと思って、かぶを1つろばの家に持って行きますが、留守だったので置いて帰りました。家に戻ったろばはそのかぶを見つけます。どうしようか考えて、やぎに届けることにしました。

 動物たちが、困っているだろう友達を思ってかぶを持っていくという思いやりの繰り返しに心が温まり安心します。やさしさが心の中に残る本です。

美しい言葉と絵で、感性を育てる本

  • よあけ 作:ユリ・シュルヴィッツ

 おじいさんとまごが、静かなみずうみのそばに寝ていました。静かな夜、何も動くものはありません。すると、そよかぜとともに、鳥たちが動き出しました。おじいさんたちも起きだして、みずうみへボートをこぎだしました。

 自然の静かさや美しさを幻想的な絵で表現していて、本当に絵本の世界の中にいる気持ちになります。

 少しずつ夜が明けていく様子が体感できて、気持ちが落ち着きます。

 詩的な文で表現していて、視覚だけでなく聴覚でも風景を感じられます。

子どもの心に寄り添い、想像力をひきだす本

  • ゆきのひ 作:エズラ=ジャック=キーツ

 ピーターは窓から雪景色を見ると、外へ飛び出して思いっきり雪遊びをしました。最後に雪だんごをつくって、ポケットにしまっておうちに帰りました。明日も雪だんごで遊ぼうと思っていたのに、寝る前にはとけてなくなってしまって、ピーターはかなしくなりました。それでも次の日、目を覚ますと雪はまだつもっていました。ピータはうれしくなって友達と一緒に雪の中へ出かけて行ったのでした。

 淡い色でカラフルな切り絵をつかった雪の絵が目をひくので、子どもを飽きさせません。

 ピーターの気持ちや言葉はあまり書かれていないけれど、雪が降って嬉しい気持ちや、雪だんごをとっておきたい気持ちが想像できて心が温まります。

 子どもがいますぐやってみたいと思うような雪遊びが描かれていて、楽しい気持ちになります。

親子の愛情を感じて心が温まる本

  • ぼくにげちゃうよ 作:マーガレット・W・ブラウン

  母さんうさぎと暮らしている子うさぎは、家を出て1人でどこかに行ってみたくなりました。子うさぎは、母さんうさぎに「ぼく、逃げちゃうよ」と 魚になって泳いだり、高い岩の山になったりしてにげる方法を話します。すると、母さんうさぎは負けじとかわいい子うさぎをつかまえる方法を話します。

 子どもが話し、母親が返すという繰り返しに子どもたちが安心します。

 また、母さんうさぎは子どもの想像に寄り添って会話をしているので、子どもたちも想像の世界に入りこめます。

 保護者が子どもに読んであげると、わが子への愛情が深まり、暖かい空気になります。

  • こすずめのぼうけん 作:ルース・エインズワース

 初めて空を飛んだ日、こすずめは遠くまで飛びすぎてしまいました。疲れたこすずめは休める場所を探しに鳥の巣を探します。一つ一つの巣にとまって鳥たちにお願いしますが・・・

 子どもたちはこすずめになったような気持ちでドキドキしながら入り込めます。

 困ったときはいつでも家族が助けてくれるという安心感を持つことができます。

絵本で心を育てよう

 学級の子どもたちに、「絵本の読み聞かせ始めるよ!」と言うと、いつも「やった!」と目を輝かせていました。 

子どもたちにとって絵本は心の拠り所になっているのではないかと思っています。

絵本の中の心地よい世界は、ずっと子どもの心の中に残り、気持ちが落ち着きます。

 たくさん絵本を読んで、登場人物の優しさにふれて心が温まったり、親子や友達の愛情に安心感を感じたりする体験ができるといいですね。

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