学級の「困っている子」への対応で悩むこと、ありますよね。

指示を聞かないし、落ち着きがない!どうしたらいいの?

「どうしてみんなと同じことができないの?」とイライラしてしまう!
そんなとき、言葉のかけ方やサポートの仕方を子どもに合わせて少し工夫すると、子どもの行動が変わってきます。
今回は、学級で困っている子のタイプ別に言葉がけやサポート方法をご紹介します。
指示を一回で聞くことが難しい
指示をしたときに子どもの反応が無いと、ついイライラして「〇〇しなさい!」と怒ってしまうこともあると思います。
子どもたちは、怒って命令口調で言われるとイライラして反発してしまい、指示が頭に入りにくいです。
穏やかに伝えて、自分から行動できるように促すことが大切です。
まずは、子どもの目の前に行って、視線を合わせて呼びかけます。
遠くから声をかけても、今したいことに気を取られて聞き流してしまうので、できるだけそばで声をかけるようにしましょう。
伝えるときは、「〇〇しなさい」ではなく、「〇〇しよう」「〇〇します」と穏やかに伝えると聞き入れやすくなります。
そのときは、子どもに分かる言葉で伝えることが大切です。
「片づけよう」「ちゃんと座りましょう」と言っても、具体的にどうしたらいいのか伝わっていない場合もあります。
例えば、片づけるときは「〇〇をここにしまおうね」「△△はここにいれてね」と言うと分かりやすいです。
姿勢よく座るときは、「いすにおしりをつけて座ります」「足の裏は床につけてね」と伝えると、「ちゃんと座る」の意味が分かります。
1回言ってできなかったときは、「何回言ったら分かるの!」ではなく、「さっき何て言ったかな?」と問いかけて自分で考えるように促します。
そして、できたらほめることを繰り返して、子どもが自分で考えて行動できることを目指していきましょう。
じっとしていることが苦手
じっとしていることが苦手な子どもたちは、立ち歩いたり、友達にちょっかいを出したりするなど、落ち着きのない行動をすることが多いです。
「ダメ!」「やめなさい!」と否定の言葉で注意すると、子どもは反発し余計にエスカレートしていきます。
「やめなさい!」ではなく、「〇〇しようね」と今することを穏やかに伝えるようにします。
その行動をやめさせるよりも、かわりに「今していいこと」を伝えれば別のことに気をそらすことができます。
目をあわせて穏やかに伝え、行動できたらほめます。
一度で聞かなくても、行動するまで繰り返し粘り強く伝えましょう。
授業の間中じっとしていることが苦痛な子もいるので、少し体を動かして気持ちを切り替えることも効果的です。
「立って体を伸ばそう」
「手足をぶらぶらさせよう」
「10回その場でジャンプしよう」など
体を動かして発散することができると、その後は切り替えやすくなります。
子どもの試し行動への対応については、こちらの記事で解説しています。
行動がゆっくりで時間がかかる
行動がゆっくりになるのは、他のことが気になって1つのことに集中できない場合が多いです。
「早くしなさい!」と急かしても気が散るだけで、子どもの行動は早くなりません。
そんなときは、「次は〇〇をしよう」と1つずつ指示すると、今することが明確になって行動しやすくなります。
絵や文字などで視覚的に見せて、順番にすることを分かるようにしておくと自分で確認することができます。
また、タイマーなどを使って、「〇分で片づけできるかな?よーいドン!」とゲーム感覚にするのも有効です。
「〇〇選手、□□を片づけ始めました!すごい速さです!」というふうにユーモアを交えて実況すると、やる気がアップして楽しみながら片づけができると思います。
イライラしがちな場面も、楽しみながらできる声かけをしていくとお互いに気持ちがいいです。
学習につまずきがある
授業で教えた内容を、「さあ、やってみよう!」というときに手が止まってしまう子もいると思います。
そんなとき、「さっき教えたでしょ!どうしてわからないの?」と言われると子どもは傷ついてしまいます。
子どものやる気や興味を引き出す工夫が大切です。
まずは一度に全部させようとせず、「この1問だけやってみよう」「ここまで書いてみよう」と声をかけて簡単にできることから一緒に取り組むようにします。
思うように進まなくても、「頑張ってるね!その調子!」と取り組んでいる姿をほめて、できたら一緒に喜びます。
もし間違えたり上手くできなかったりしても、自分で考えた、挑戦したことをほめることが大切です。
小刻みに目標を与えて、スモールステップで自信をつけるとやる気がアップしていきます。
また、子どもが好きなものを使って説明すると興味がわいてきます。
算数の文章問題に子どもが好きなキャラクターを登場させると、目の色を変えてやる気になることがあります。
子どもの世界観に合わせて興味をひきつけることで、勉強が楽しくなると思います。
気持ちの切り替えが難しい
何か思い通りにならなかったとき、怒ったり落ち込んだりして、次の活動をするのに気持ちが切り替えられないということがあると思います。
「今はこれをするときだから、切り替えなさい!」と強く叱ると、余計に反発して逆効果です。
まずは子どもの気持ちに共感することが大切です。
「勝負で負けて悔しい」「失敗して悲しい」「したいことができなかった」など、子どもにとっては気持ちを切り替えられない理由があります。
「悔しかったね」「残念だったね」「これがやりたかったんだね」と声をかけて子どもの気持ちを受けとめます。
そして、「仕方ない、そういうものだね。」「残念だけど、まあいいか。」「次があるから大丈夫だよ!」と切り替える言葉で背中を押します。
日ごろからこのように声をかけて、思い通りにならない場面で心が落ち着かせる言葉を教えていくことが大切です。
同じような場面で、自分で切り替えることが出来たら「上手に切り替えできたね!」とほめると自信になります。
子どもを信じることが大切
今回は、「困っている子」へのサポート方法を紹介しました。
子どもの悪いところを直そうとするより、「この子に合った方法は何だろう?」とアイデアを考えていくと、前向きに子どもに関わっていくことができると思います。
先生が「この子はできる子だ」と信じて認めていると、その思いが子どもにも伝わります。
そうすると、子どもは「やればできるんだ」と自信を持って良い方向に変わることができるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。