「うちの子、これが苦手かも…」「このままで大丈夫かな?」
お絵描きが苦手、運動が苦手、勉強が苦手、コミュニケーションが苦手など、つい子どもの「できないこと」に目が向いてしまうこと、ありますよね。
「早くできるようにさせなきゃ!」と焦ってしまうパパ・ママも少なくないと思います。
でも実は、子どもの苦手を無理に克服させようとするよりも、得意なことを伸ばす方が、子どもの力はグンと育つんです。
今回は、「苦手より得意を応援する」関わり方について詳しくお伝えします。
苦手より「やりたい」を優先していい理由
子どもが苦手なことを見つけると、親としてはつい「できるようにさせなきゃ!」と 思ってしまいがちです。
でも、子どもが本当にやりたいことよりも、 親の「やらせたいこと」を優先してしまうのは要注意です。
「やりなさい」と言われてやることに、子ども自身のやる気はなかなかついてきません。
その結果、
・言われたことはできるけど自分では動けない
・自分が何をやりたいのかわからない
という状態になることもあります。
一方で、好きなことに夢中になって取り組んでいる子は、「やりたいことを自分で見つけて、自分でどんどん進めていく力=自己実現力」が育っていきます。
得意なことで自信がつけば、「これもやってみようかな」と新しいことへの挑戦にもつながります。
苦手は克服させなくていいの?
もちろん、「今のうちに苦手を克服しないと、後で困るのでは?」 という不安もあるかと思います。
親として、「子どもが困る前に、先回りしてなんとかしなきゃ!」と 思う気持ちもよく分かります。
でも実は、子どもが失敗して「できなくて悔しい」と感じる経験も 大きな学びのチャンスになります。
子どもが「やってみたい」と思ったときに挑戦するからこそ、 自分の力として定着するのです。
親が先回りしてしまうと、自分で考え、工夫して乗り越える力が育ちません。
得意なことの伸ばし方
幼児期からさまざまな体験をして、多くの刺激を受けることが、 子どもの可能性を広げていきます。
まずは、お子さんが何に夢中になっているかをじっくり観察してみましょう。
その上で、やってみたいと思っていることを尊重し、 個性を引き出す環境を整えてあげることが大切です。
【たとえば…】
◆ お花が好きな子の場合
・お散歩で見つけた花を一緒に観察
・図鑑や写真を見ながら花の絵を描く
・草花あそびをする
・図鑑で名前を調べる
・花の種や苗を買いに行って店員さんに育て方を聞いてみる
・おうちで育ててみる
→ 観察力、集中力、調べる力が自然と育ちます
◆ 電車が好きな子の場合
・実際に電車を見に行く、乗ってみる
・車掌さんに手を振る、駅員さんにあいさつする
・図鑑で色々な電車の名前を調べる
・図鑑で電車の種類や名前を調べる
・行きたい場所へのルートを自分で考えてみる
→ 読解力、論理的思考、計画力が育ちます
このように、成長に合わせて本や図鑑で調べたり、人に聞いてみたり、実物を見に行ったりして興味を深めるサポートをすることが大切です。
自分で目的を見つけて、すすんで学んだり人と関わったりする力が身に付いていきます。
無理にワークをやらせるよりも、 「好き」から広がる体験の中で育まれる力の方がずっと多いのです。
我が子は1歳の頃から車が大好きで、 「はたらくくるま」の歌を毎日聞きたがりました。
この歌には、いろんな種類の車とその役割が歌詞に登場するため、 「消防車」「清掃車」「カーキャリア」などの車の名前だけでなく、 「火をけす」「まちをおそうじ」「くるまをはこぶ」といった2語文が自然と出るようになりました。
車の図鑑や絵本を一緒に見ながら、 指さしで「パトカー!」「バス!」と言うようになって、歌で聞く車の名前が実物とつながっている様子が分かりました。
好きなことだからこそ、こんなに楽しく言葉が身につくんだなと実感しました。
実は、私は内心「英語の歌もたくさん聞いて覚えてほしいな」なんて思っていたのですが(笑)
やっぱり本人の興味には勝てませんね。
おわりに
子どもが苦手なことに挑戦するタイミングは、親が決めるのではなく、 子ども自身が「やってみたい」と思ったときで大丈夫です。
親ができることは、子どもの「好き」や「得意」に寄り添い、 応援すること。
それが、やる気や自信を育て、他の分野にもチャレンジしていく力の土台になります。
ぜひ、お子さんの「得意」や「好き」を一緒に探してみてくださいね。