散らかった子ども部屋を見ると、ついイライラして「早く片づけなさい!」と怒りたくなりますよね。
実はその一言が、子どもの中で「片づけ=イヤなこと」になってしまっている原因かもしれません。
「とはいえ、どうやって伝えたらいいの?」というときに力になってくれるのが、絵本の力です。
物語を通して、「どうしてお片づけが大事なのか」を自然に伝えてくれる絵本。
大人が指示したり叱ったりするよりも、素直に子どもの心に届いて「片づけようかな」と思わせてくれます。
今回は、元教員ママの私が幼児期の1~5歳年齢別に
お片づけの習慣が身に付くになるおすすめの絵本と、今日から使える声かけの工夫をご紹介します。
お片づけの習慣が身に付くになるおすすめの絵本
0歳から
おかたづけバストリオ
かわいい3台のおかたづけバスに、低年齢の子どもたちも思わずくぎづけ。
ページをめくるたび、絵本の世界にぐんぐん引き込まれていきます。
「のりますか?」「のりまーす!」のくり返しがとっても楽しくて、遊びのようにお片づけの基本を教えてくれます。
1歳から
みんなおかえり
「きょうも たくさんあそんだね。みんな おうちへかえりましょう。」
そんな語りかけとともに、おもちゃたちが自分のおうちに帰っていく様子が描かれています。
子どもも自然と「おもちゃをおうちに帰してあげよう」という気持ちになります。
お片づけが「やらなきゃいけないこと」から、「だいじにしてあげたいこと」に変わっていくような、物を大切にする心を育ててくれる絵本です。
えらいねくうぴい

「なんでお片づけしなきゃいけないの?」という子どもの疑問に、やさしく答えてくれる絵本です。
おもちゃを出しっぱなしにしておくと…
「欲しいおもちゃが見つからない」
「踏んじゃってイタイ!」
そんなあるあるが、子どもの目線でユーモラスに描かれています。
片づけの大切さを「なるほど!」と納得できるように伝えてくれる一冊です。
2歳から
かたづけやさーい
お片づけという言葉が苦手なお子さんにぴったりの一冊。
「くる~り ひらりん えほんさん おうちへ かえりましょう♪」
リズミカルなことばで、遊んだ絵本たちをおうちに帰してあげるお話です。
2歳の我が子も、「おうちにかえしてあげようね、ばいばい~」と声をかけると、ニコニコしながら片づけをしてくれるようになりました。
可愛い野菜たちにも親しみをもてます。
バラバラ ピタッ!

穴あきのしかけが楽しくて、小さな子どもの心をぐっとひきつけてくれる絵本です。
バラバラに散らかったクレヨンや積み木、本たちが、ページをめくると…「ピタッ!」ときれいに並んでいます!
この「ピタッとそろう気持ちよさ」が視覚的に伝わってくるから、整理整頓って気持ちいいんだな、って自然と体感できます。
遊びながらお片づけの心地よさにふれられるので、小さなお子さんにもぴったりの一冊です。
3・4歳から
かたづけしないとどうなるの?

シリーズでも人気の定番知育絵本!
仲良しのウルトラマンとメトロン星人が、「片づけをしないとどうなるのか」を身をもって教えてくれます。
「ウルトラマンが「片づけた方がいい」って言うなら…かたづけようかな。」
「きれいなお部屋にしてウルトラマンにほめてもらいたいな。」という気持ちが自然と芽生えるお話です。
ノンタンぱっぱらぱなし

「ぱっぱらぱなし」で散らかし放題のノンタン。
ちらかしっぱなしにしていたら、ごみくずたちがくっついてきて大変!
そこでノンタンは、「さっさか さっさか ほい さっさ」とお掃除。
このリズムが楽しくて、口ずさむとお片付けが楽しくなります。
わが家でもこのフレーズをまねっこすると、子どももごきげんでお片づけモードになってくれます!
ななちゃんのおかたづけ
大人があれこれ言うよりも「おもちゃたちが泣いちゃうから、ちゃんとかたづけなきゃ」と、子どもの心にすっと届く絵本です。
ななちゃんは、遊んだものを全部ひとつの箱にポイッ。すると、おもちゃたちが怒りだしてしまいます!
「おもちゃにも帰りたいおうちがあるんだよ」と子どもに気づかせてくれるやさしいお話です。
おもちゃのかたづけできるかな
整理収納アドバイザー監修の絵本で、片づけやすい環境づくりや、声かけの工夫など、読んでいて私自身も「なるほど」と気づかされることがたくさんありました。
おもちゃを用途ごとに「家族」にたとえているのがとてもわかりやすくて、子どもにもイメージしやすいです。
「このおもちゃはどの家族かな?」と話しながら一緒に片づけると、遊びの延長のように、スムーズにお片づけが進みそうです。
いちにちおもちゃ

おもちゃを大切にする気持ちが芽生える絵本です。「一日だけおもちゃになってみよう!」 という男の子の想像が始まります。
ユニークな絵に、親子でゲラゲラ笑ってしまう場面もたくさん!
おもちゃの気持ちが分かって、「大切に扱ってきちんと片づけたいな」という気持ちが心に残ります。
5歳から
ぼくたちのヒミツのおかたづけ

「ヒミツ」と聞いただけで、子どもはもうワクワクします!
ママがお出かけ中、男の子とポチはお部屋で海賊ごっこ。
宝の地図や財宝、海賊の旗で夢中になって遊んでいたら、ママから電話がかかってきて大慌て。さぁ、帰ってくる前にお片づけできるかな?
「お片づけ=楽しい冒険の続き」と思えるように、子どもの想像力を大切にしながら楽しくお片づけが描かれています。
おにんぎょうさんのおひっこし
お部屋が散らかったままにしていると、女の子が大事にしていた指人形「あみちゃん」が、いなくなってしまいます。
「お片づけって、大事なものを守るためでもあるんだね」と、やさしい教訓が子どもにしっかり伝わります。
今日から使える声かけの工夫
「片づけなさい!」とつい言ってしまう気持ち、よくわかります。
でも、子どもにとっては「どうやればいいの?」「今はまだ遊びたいのに…」という気持ちがあるもの。
そんなときは、声かけの工夫で、お片付けがぐんとやりやすくなることがあります。
ここでは、今日から試せる4つの声かけのポイントをご紹介します。(年齢は目安です。お子さんの理解や興味に合わせて声かけしてみてください。)
① 具体的に伝える
子どもには「何を」「どうやって」片づけるのかが分かりやすい声かけが効果的です。
「ちゃんと片づけて」よりも、行動がイメージできる声かけをすると、「やってみようかな」と思えます。
1~2歳
「ブロックを、カゴの中にポンポン入れてね」
3~4歳
「おままごとのお皿は、引き出しの中に戻そうね」「積み木はこの箱に入れてね」
5歳
「絵本は立てて棚に並べてね」「大きいものから順番にカゴに入れてみようか!」
② 子どもの世界に寄り添う
遊びの延長のような声かけは、子どもの気持ちに素直に入りやすいです。
片づけ=楽しいストーリーにしてみましょう。
1~2歳
「お人形さんはみんなで一緒にお家に帰ろうね。」
3~4歳
「乗り物たちはガレージに帰らないと!」
5歳
「おままごとチームはキッチンに集合ー!」
③ ゲーム感覚にする
ちょっとした「遊び」や「競争」にすると、自然と手が動きます。
「やらされる片づけ」から「やってみたい片づけ」へ!
1~2歳
「いくつカゴに入れられるかな?」「ママとどっちが早く片づけられるか競争しよう!」
3~5歳
「何秒で片づけられるかな?よーい、スタート!」「タイマーがなるまでに片づけられるかな?」
④ 少しでもできたら、すぐにほめる
「全部片付けできてから」はもちろんですが、「今できたこと」に目を向けて声をかけると、子どもの自信につながります。
1~2歳
「ブロックさんたち、おうちに帰れてうれしそうだね」「お部屋がピカピカになって気持ちいいね」
3~5歳
「わぁ、もう半分もお片づけできたんだ!速いね!」「○○くんのおかげで、お部屋がピカピカ!ありがとう」
親子でお片付けを楽しもう
お片付けは、叱って身につくものではなく、毎日の中で少しずつ育っていく習慣です。
無理に教え込もうとせず、絵本をさりげなく読むだけでも、子どもの心にやさしく届いていきます。
お子さんのペースや気持ちに寄り添った声かけと一緒に、日常の中にそっと絵本を取り入れてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。