「読み聞かせ中なのに、うちの子だけ立ち歩いてる」
「みんなで制作するとき、うちの子だけやろうとしない」
「集団でのお約束が守れない…」
そんな姿を見ると、「うちの子、このままで大丈夫かな」と不安になること、ありますよね。
でもそれは、幼児期ではよくあることなんです。
その子のタイミングや興味に、まだピタッとはまっていないだけかもしれません。
子どもの「好き」や「楽しい」をきっかけに少しずつ興味を広げていけば、集団活動での「やってみよう!」にもつながっていきます。
今回は、元幼児教室講師の私が、子どもの「好きなこと」から興味を広げ、「できた!」を増やす関わり方をご紹介します。
「好きなこと」から始めると、子どもはグンと伸びる!
子どもは、自分の「好き!」と思えることなら、どんどん吸収して学び、「できた!」も増えていきます。
子どもの「好きなこと」興味の世界を広げるには、大人のはたらきかけがとても大切です。
今回は、「乗り物が好きな子」の例をもとにご紹介しますが、これはどんな「好き」にも応用できます。
お子さんが夢中になっていることに当てはめながら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
興味を社会性へつなげる:ルールやマナーを学ぶ
● 本物を見に行こう!

駅やバス停に行って、実際に乗り物を見たり、乗ってみたりすると子どもは興味津々で大喜びです。
その中で学べるルールはたくさんあります。
乗り物を探しながら道を歩いたり、切符を買ったり、駅で電車を待ったりする体験の中で、
・交通ルール
・公共の場でのマナー
・時間を守ること
など、自然と社会のルールにふれることができます。
興味を学びにつなげる:数・言葉・分類あそび
● 絵本や図鑑で世界を広げる

お気に入りの乗り物が出てくる絵本や、乗り物の図鑑を一緒に読んでみましょう。
- 写真や絵から情報を読み取る力
- 文字への関心
がグッと高まります。
「好きなものの名前を覚えたくて、文字に興味を持つようになった!」という子も多いです。
● 数を数えるあそび
好きなものの実物や絵・写真、おもちゃなどの数を数えてみましょう。
数の数え方を覚えて、数の大小や量などの概念が視覚的に分かります。

- 通ったバスやトラックを数える
- 家のおもちゃの乗り物の数を数える
- 絵本や図鑑のページを見て乗り物の数を数える
● 仲間分けあそび

シールや絵カード、おもちゃなどを使って「仲間分け」遊びをしてみましょう。
観察力や論理的思考が育ちます。
- 乗り物の種類で仲間分けする
- タイヤの数、形、色などで分けてみる
手先・体を育てる:動きながら学ぼう
● 歌や体の動きを取り入れる

乗り物の歌を一緒に歌ったり、手を動かしたり、走ったりなど、音楽に合わせて自由に楽しんでみましょう。
- リズム感
- 語彙力・表現力
が楽しみながら育ちます。
我が子は「はたらくくるま」や「ふみきりのうた」が好きで、繰り返し聴いています。
リズムに乗せると記憶効果が高まり、乗り物の名前だけでなく「乗せる」「運ぶ」「集める」などの動詞の言葉も理解できるようになりました。
●切り貼り、塗り絵に挑戦
- 乗り物のシールを貼る → 指先を使う練習に
- 塗り絵やお絵描き → 色や形の感覚、想像力の育成
- 描いた絵を切って貼る → はさみ・のりの使い方の練習ができる
園での制作活動に興味をもつようになり、「できた」を積み重ねると
「自分で描いた絵を見てほしい」、「みんなの前で発表したい!」につながっていきます。
「できない」より「今、何が好きか」に目を向けて
「うちの子、みんなと同じようにできない…」
そう感じたときこそ、周りの子比べるのではなく、
「今、この子は何に夢中なんだろう?」とお子さんに目を向けてみましょう。
そこから少しずつ活動を広げていけば、
「できた!」の積み重ねが自信になり、
やがて集団の中でも「やってみたい!」という気持ちにつながっていきます。
まとめ|「好き」は子どもの力を引き出す原動力
子どもはひとりひとり、育つペースも、得意なことも違います。
だからこそ、「みんなと同じ」より、「その子らしさ」を大切にしたいものです。
今、その子が夢中になっていることから、
少しずつ世界を広げていく。
それだけで、子どもは自分の力でぐんぐん育っていきます。
まずは今日、子どもの「好き」から、ひとつ活動を広げてみませんか?