子どもがなかなか勉強しようとせず、いつもマンガやゲームなどに夢中になってしまう・・・と困っている保護者の方、多いのではないでしょうか。
私も教師をしていたときは、「どうしたら子どもが家で勉強に取りかかれるようになりますか?」と保護者の方から相談されることがよくありました。
親として、子どもに「学習習慣を身に付けて、自分から勉強できるようになってほしい」と思いますよね。
今回は、子どものやる気を引き出す関わり方と、無理なく学習習慣を身に着ける方法について紹介します。
子どものやる気を引き出す関わり方
子ども自身の意思で取り掛かれるように声をかける
子どもが取り掛かる前に、「やりなさい!」と言ってしまうと、自分の意思と関係なくやらされているように感じるため、子どもがやる気を失ってしまいます。
その代わりに、子ども自身の意思で取り掛かれるように「何時から始める?」「どの宿題からする?」と問いかけるようにしましょう。
子どもが自分の意思で気持ちを切り替えて、机に向かうことができたらすぐ褒めることが大切です。
もし、子どもが学校や習い事などで疲れている場合は、まず子どもの話を聞いて受けとめることで安心感につながります。
勉強につまずいている様子だったら、「一緒にやろう」と声をかけると、気が進まないことも取りかかりやすくなります。
子どもに寄り添って気持ちを切り替えるサポートをすることが大切です。
一緒に楽しく取り組む
勉強する時間を子どもと一緒に過ごす時間と考え、子どもと一緒に楽しく取り組むことが大切です。
そうすることで、子どもにとって勉強する時間が楽しいものになり、やる気がアップします。
子どもが勉強しているときに「ここがダメ」「できてないよ」と口出しすると、子どもにとって勉強する時間が苦痛になってしまいます。
子どもの勉強をチェックするのではなく、親自身も一緒に興味をもって考える姿勢でいることが大切です。
子どもに「これどうやるの?教えてくれる?」と聞いて、一緒に学ぼうとすると喜びます。
勉強が子どもとのコミュニケーションツールになり、子どもが勉強に興味を持って楽しく取り組めるようになります。
5分から10分ぐらいの短い時間でいいので、親自身も子どもと一緒に取り組むと効果的です。
学習を褒める材料にする
子どもが勉強しているとき、「ここがちがうよ」「もっと丁寧に書きなさい!」というふうに注意していませんか?
そうすると子どもは自信をなくし、勉強の意欲がなくなってしまいます。
子どもの自信や意欲を高めるには、学習をほめる材料にすることが大切です。
子どもが勉強で頑張ったところや出来ているところを積極的に見つけてほめていきましょう。
「集中できるようになったね」「計算が速くなったね」と子どもの頑張りを見つけて積極的に褒めましょう。
気になるところや間違えているところがあるときは、「この方法でやってみたらどう?」、「ここを丁寧に書けたらもっと素敵だな」などと声をかけると、子どもが素直に受け止めやすくなります。
「分からないことはダメではない」と伝える
子どもが勉強につまずいているとき、「どうして分からないの?」と否定的な言葉をかけると、子どもは「分からない自分はダメだ」と感じて勉強が嫌になります。
親としては「今これが分かってなくて、この先大丈夫?」と焦る気持ちがあり、つい分からないことを責めてしまう・・・ということもありますよね。
でも、今分からなくても時間が経つにつれて成長し、だんだん分かってくることはよくあることです。
子どもの「分かるまで努力する力」を育てるには、「分からないこと」の恐怖感を小さくしてあげることが大切です。
「お父さんやお母さんも昔は分からなかったよ」「今でも分からないことはたくさんあるんだよ」と伝えると、「分からないことはダメなことではないんだ」と安心することができます。
「分からないこと」に対して諦めずに向き合い、分かっていく楽しさを体験できるようにすることが大切です。
成果を求めすぎない
子どもがテストで良い点数をとったときに「90点取れたの?すごい!次は絶対100点とれるよ!」というふうに、成果を喜んで期待する言葉をかけることがあるかもしれません。
子どもにやる気を出してほしくて言ったつもりでも、実は子どもにとっては負担になってやる気を失う原因になることがあります。
成果を期待しすぎると、子どもは「もし良い結果を出せなかったら、お父さんやお母さんをがっかりさせてしまう」というプレッシャーを感じて、やる気がなくなってしまいます。
テストの点数などの結果が良くても良くなくても、その努力を認める言葉がけをすることが大切です。
「やったね!計算の練習をあきらめずに頑張った成果が出たね!」「惜しかったけど、毎日漢字の練習コツコツ頑張ったね。次はできるよ!」と子どもの頑張ったことを認めるようにしましょう。
子どもが親に望んでいることは、喜んでいるときに一緒に分かち合い、悔しいときに一緒に受けとめてくれることです。
お父さんやお母さん自分の頑張りを分かっていてくれると、子どもは自信をもってさらに努力できるようになります。
無理なく学習習慣を身に着ける方法
子どもが毎日自分から勉強に取り組めるようになるには、習慣が大切です。
無理なく習慣化する方法を紹介します。
まず、子どもと一緒に「宿題をする」という行動のステップを小さくして書き出し、リストにしてみましょう。
帰ってきたらやることリスト(例)
- 学習机にむかう
- 机に連絡帳を出して確認する
- 宿題に使うものを机にだす
- 音読をする
- 算数の宿題をする
- 国語の宿題をする
このように小さなステップにすると、取り掛かるハードルが下がるため行動に移しやすくなります。
「算数の宿題が終わったらおやつを食べる」「全部終わったらゲームを○時間できる」というふうに、休憩中にすることや終わった後にすることを入れてもいいです。
ホワイトボードにリスト書いて、終わったら消していく
付箋にやることを1つずつ書いて貼り、終わったらはずしていく
というふうに、リストを1つ終わらせるごとに視覚的に分かるように工夫すると達成感を感じることができます。
やることを1つずつできたら褒めることで、次の行動へのやる気につながります。
まとめ
今回は、子どものやる気を引き出す関わり方と、無理なく学習習慣を身に着ける方法について紹介しました。
子どもが学習習慣を身に付けられるように、保護者は子どもに寄り添ってサポートし、頑張りを認め、達成した喜びを分かち合うことが大切です。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。