【幼児期~低学年】読み聞かせ絵本の選び方&おすすめ絵本10選

先生向け

読み聞かせをすると、子どもの想像力や語彙力が育まれます。

子どもが小さい頃から読み聞かせをして、たくさんの本に出会わせてあげたいですよね。

でも、数多くある絵本の中からどの絵本選んだらいいのか悩むことってありませんか?

今回は、

  • 読み聞かせする絵本の選び方
  • 幼児期から小学校低学年へのおすすめ絵本10選

をご紹介します。

ご家庭や学級にも役立てていただけたらと思います。

絵本の選び方

絵だけでおはなしの内容が分かるものを選ぶ

絵だけでおはなしの内容が分かり、登場人物の気持ちが伝わってくるものを選びましょう。

小さい子どもたちは、言葉だけでは分からないところを、短い年月での経験や知識の中で理解しようとしています。

その知識を補えるように、細部まで正確な絵が描かれているものが望ましいです。

絵本を選ぶときは、文字を読まず絵だけで物語を追ってみて、内容が理解できるかどうか確かめるようにしましょう。

また、絵全体の調子やムードが物語と合っているものを選ぶと、子どもが物語の世界に入りやすいです。

質が良く美しい絵を見ることは、芸術的な体験にもなります。

満25歳以上の絵本を選ぶ

25年以上前に書かれた本を選ぶのがおすすめです。

質の良い本は、長年読み継がれた本が多いです。

それだけ、子どもたちの心に残っているということでしょう。

長年愛されていて、温かみと安定感を持つ絵本を選ぶことが望ましいです。

主人公に自分を重ねられるような物語を探す

子ども自身が主人公になったつもりで入り込める物語を選ぶのがおすすめです。

物語の中で起こる出来事を見て、経験の少ない子どもは主人公に自分を重ねていきます。

それは、冒険といった大きな出来事ではなくても、空想の中で楽しめるような出来事でもいいです。

子どもが主人公と一体化できると、まるで自分が一緒に体験して乗り越えたように感じることができます。

小さい子どもには、文章が具体的で分かりやすく、客観的に表現されている絵本が望ましいです。

主観的な表現が多いと、子どもにとって理解することが負担になり物語に集中できなくなります。

甘ったるい子ども言葉で書かれていたり、アニメのような絵が描かれていたりする絵本は、子どもの想像を妨げるので避けた方がいいです。

学級で読み聞かせをするときの選び方と読み方

絵がはっきりと見えやすいものを選ぶ

学級での読み聞かせ絵本を選ぶときは、後ろの子どもにもはっきりと絵が見える絵本を選びましょう。

子どもたちは、絵が見えないと飽きてしまいます。

あらかじめ遠くから見て絵が大きくはっきりと見えるかどうか確認しておくといいです。

大きな絵でも、遠くからはぼんやりするものは避けましょう。

絵と文の量のバランスがよく、シンプルな場面割りのものを選ぶ

物語の進展にそった場面割りになっていて、絵と文章の内容が一致している絵本が望ましいです。

おはなしでは起こっていない場面が絵になっているものや、一場面に対する文の量が多すぎると子どもが落ち着かなくなります。

なるべく見開きに一場面になっている絵本を選ぶようにすると、子どもたちが分かりやすいです。

見開きに三場面・四場面とある絵本の場合は、指を指しながら読むといいです。

読み聞かせするときの読み方

絵本がぐらぐらしないよう安定させて、絵を手で隠さないように持ちましょう。

絵本を床と平行にして、蛍光灯で光らないように工夫して持ちます。

鏡を見て練習するといいです。

また、前もってすべてのページに開きぐせをつけておきましょう。

読み始める前に、ページをゆっくりとめくっていきます。

タイトルページでもう一度、題を言って呼吸を整えて読み始めます。

ページをめくるときもおはなしのうちになります。

おはなしを妨げないように、子どもの心をはなさないでめくりましょう。

めくった瞬間には読まず、ほんの一瞬の間をあけることで、子どもが絵に集中する時間を待ちましょう。

このおはなしをみんなに伝えたいという気持ちで、ゆっくりと心をこめて読むことが大事です。

参考:松岡享子(1987年)「えほんのせかい こどものせかい」 日本エディタースクール出版部

幼児から小学校低学年のおすすめの本10選

「こすずめのぼうけん」ルース・エインズワース

一羽のこすずめが初めて飛べるようになって、お母さんのいうことを聞かずに、一人で飛んでいてしまい、やがて疲れてしまいます。いろいろな鳥たちに助けを求めますが、仲間ではないと断られます。無事にお母さんのところに帰れるのか。どきどきしながら読める本です。

 

「サリーのこけももつみ」ロバート・マックロスキー

小さなサリーはお母さんと山へこけももつみに行きます。山の反対側から、こぐまとお母さんくまがやってきます。夢中でこけももを取りをしていると、サリーは親くまに、こぐまはサリーのお母さんについて行ってしまいます。さて、どうなってしまうのかハラハラします。

広大な自然を描いていて、親子のくまの表情もユーモアがあって楽しめます。

 

「とべ!ちいさいプロペラき」小風 さち

自分よりも何倍も大きな飛行機を見て、どんどん自信がなくなっていくちいさいプロペラ機。

大きなジェット機に励まされて、勇気を出します。新しい環境に一歩踏み出す勇気をもらえます。

 

「ふゆめがっしょうだん」長 新太

木の芽が顔に見える写真の絵本です。合いの手のように出てくる「パッパッパッパ」がたくさんの顔があって楽しいです。外に見つけに行ってもいいですね。

 

「どろんこハリー」ジーン・ジオン

おふろの嫌いな犬のハリーは、泥んこになって帰ると、だれにもハリーだと分かってもらえません。さてどうなるのか。スリルとユーモアのあるおはなしで、ハリーの表情豊かな絵が魅力です。

シリーズで「うみべのハリー」「ハリーのセーター」「ハリーのだいかつやく」があります。

 

「おおかみと七ひきのこやぎ」グリム

絵はホフマンのものがおすすめです。地味に思える色調ですが、子どもがおはなしの世界に入り込めます。

 

「くんちゃんのだいりょこう」ドロシー・マリノ

かわいい子ぐまのくんちゃんが主人公のシリーズでほかに6冊があります。暮らしの中の出来事ばかりなので、子どもは親しみを持って読めます。

 

「ありこのおつかい」いしい ももこ

昔話のようなありえないおはなしです。最後はみんなで仲良くお誕生日会をするので安心して読めます。繰り返しの楽しいおはなしです。

 

「くいしんぼうのはなこさん」いしい ももこ

甘やかされて、ごちそうばかり食べている牛のはなこ。いばり放題で女王きどりです。ある日、おいもとかぼちゃをひとりじめして、おなかがアドバルーンのように膨れてしまいます。ユーモアのあるおはなしです。色の美しい絵で牧場ののどかさが分かります。

 

「よかったねネッドくん」 レミー チャーリップ

ネッドくんに「よかったね」と「でも、たいへん」と、幸運と災難が交互にきます。「よかったね」と「でも、たいへん」と、の繰り返しがおもしろいです。絵にも工夫があって、ふたつの気分をリズミカルに描いています。

 

「番ねずみのヤカちゃん」 リチャード ウィルバー

家の壁の隙間にひっそりと暮らすねずみの一家の末っ子のヤカちゃんは声が大きくて、お母さんは心配です。でもそのおかげで助かることも。短所だと思うことも、長所になることもあると教えてくれるおはなしです。

 

「やさいのおなか」 きうち かつ

野菜の断面のシルエットと、色がついて野菜が何か分かるページが交互になっています。

身近な野菜の断面図に驚きがあります。色付きの絵を隠しておいてクイズにしても楽しいです。

良質な絵本を選んで読み聞かせを楽しもう!

読み聞かせは、文字の読めるお子さんでも、聞くことだけに集中でき、おはなしを心から楽しむために大切です。

登場人物によって声色を変える必要はありません。

声優さんのように感情を込めて読むのではなく、おはなしを子どもたちに届ける気持ちで誠実に読むことが、子どもの想像力を高めます。

絵本には子どもたちにとって主食になる絵本とおやつになる絵本があると思います。

食事と一緒で1つのジャンルに偏らないことが大切です。

こちらの本は、数多くのおすすめの絵本を解説付きで紹介しています。

よかったら参考にしてみてください。

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今、この本を子どもの手に  東京子ども図書館


この記事が少しでも参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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